MAMMALIANISM LIGHT

MAMMALIANISM LIGHT

キリンの学者とインタラクションデザイン集団 GADARAのコラボレーションワーク「生物の構造を模した人工物と共生する」プロジェクト哺乳類の構造を一部真似てプロダクトデザインに取り入れることによって、日常道具にアニマシーや愛嬌を感じるようなインタラクションを生むデザイン概念を「Mammalianism (哺乳類主義)」と称し、人や本に反応するデスクライトを制作した。

大半の哺乳類の首の骨の数は7つ。その数は、ヒトと外型が大きく異なるキリンで共通している。一方で、解剖学者によれば骨を支える独自の弾性繊維によりキリンの首のしなやかな動きは実現されているそうだ。キリンが持つ構造は、人間と異なる面白さを持っている。 模型の頭や胴体をあえて無骨な形にしたため、見た目からは生物らしさが感じられない。にも関わらず、動きだすとどこか愛嬌を感じられる。 それがキリンという動物がもつユニークな性質に起因するのであれば、「生物の構造を模した人工物と共生する」未来に可能性があるはずだ。 キリンが高いところの葉っぱを食べ、低いところの水を飲めるのは、その特殊な骨格のおかげです。人間と異なる構造をもった生き物を見つめ、その生き方を想像することで、「人間と共生する道具」の在り方が見えてくるかもしれません。

地球上のほとんどの哺乳類の首の骨の数は7つである。 驚くことに、あの長い首を持つ動物「キリン」も、我々ヒトも、その首骨の数は共通しているのだ。 そのせいだろうか。 長くしなやかな身体をもつヘビや軟体動物の触手のふるまいよりも、モータが多数搭載された多自由度ロボットのふるまいよりも、 構造が似ていると、表層のふるまいも何だか親近感が湧く気がする。 それでは無機的な人工物にこの構造要素を組み込むと、我々人間は親近感やアニマシーを知覚するのだろうか? キリンの力強くもしなやかな首にはほかにも秘密があった。 一見、長い首の先で大きな頭蓋骨を支えることは、重心が高く不安定で、力の効率が良くないように思える。 高い木に茂る葉を食べ、大地を流れる水を飲み、自在に首を操ることを可能にしているのが、骨、筋肉、そして首背面を覆うように存在する「弾性繊維」である。弾性繊維は、筋肉運動がない状態でも首の自立姿勢を保つことを支援し、頭を垂れたときに歪んだ状態になる。 つまり、水を飲んだあと顔をあげるときに、グンッと勢いよく元の姿勢に戻るのだ。